この旅のメインディッシュとなった「LUNUGANGA」
ここはBAWAが理想郷を築こうとした未完の楽園。
そして2003年84歳でこの世を去ったBAWAは、この広大な敷地のある樹の下に眠っている。
写真を見ただけでも、ここで聞いたBAWAの想い、シナモン林から漂う甘い香り、そして帰り際ずっと手を振ってくれたスタッフの笑顔など、すべてが蘇ってくる。
エスコートしてくれたスタッフが最後にぽつり。
「君は世界を見ることができていいな、僕もここを出たいよ.....」
と言われたことが深く深く心に刻まれている (泣〜〜〜)
あああ.....彼は未だ元気にやっているだろうか。
もう一度戻って話をしたいような、その際には居て欲しくないような複雑な気持ち。
理想郷は、このゲートの先から始まる。
BAWAがそもそも建築家を志したのは、1948年に購入したこの地に、まさに自身の理想郷を造り上げるためだった。
理想郷の意味を調べると「=ユートピア、想像上に描かれた理想的な世界。」
BAWAは何者にも縛られず、自由に、そして自分の快楽のために最適な形を求め続けたのではないか......なんて、今回は真面目に考えてしまった。
ゲートの先には、おもてなしの空間。
その先の棟内にはBAWAの書斎があり、
BAWAの愛用品が生前そのままに置かれ、なんだか主を帰りを待ちわびているかのような、そんな気配が漂う。
内外を市松模様で繋ぐ技に敬礼!
ギャラリーは、様々な時代とフォルムをミックスさせたオリジナルスタイル。
FRP素材のチェアーをコーディネートしてしまうのが憎いよ、BAWA師匠!まるでキューブリックの映画の様。
ここから暫くはランドスケープデザインを愉しむことに。
1948年から約50年かけて築きあげた地形や森。
第三者から見ると「普通の自然」に見えるかもしれないけれど、BAWAがBAWAのために造り上げた「彼だけのもの」だからいいのだ。
自らの手で造りあげたという沼、蓮が綺麗。
敷地内を歩くと、パノラマを楽しむイタリア式庭園の要素だけでなく、あるがままの自然風景を称えるイギリス式庭園のエッセンスも多分に感じられる。
それから湖に面して、なんと市松模様が凹凸に造形されたガーデン!
彼が愛したプルメリアの木、ココナッツの木や菩提樹など、スリランカのシンボルも多く見られた。とにかくいい香り。
また、この広い敷地内には6つのゲストハウスがあり、今でも宿泊することが出来るということをここで知ることになる。悔しいけれど、また訪れる楽しみができた!
その中の1つ。
2つ目。
そしてBAWAの眠るシナモンヒル。
シナモンから甘い芳香が漂う中、ここにBAWAが眠っていると思うと静かな幸福感に浸ってしまい思わず涙〜。スタッフさんも一緒にウルウル。
ここに来れてよかったよーーーー。と何度も振り返っては見てしまう。
そして、週末になると過ごしていたと言われているメインハウス。
事前予約すれば、ダイニングルームにてカレーをいただくことができたんだって!
ウダラさんめ、聞いてないぞ。
また、各地のホテルに置かれたチェアーもここで使って試していたという。
おなじみラナ・セナナヤキの壁画が描かれた回廊。
わずか1.5時間程度のツアーだったけれど、BAWAの脳内に少しトリップできた気分。
ここが彼の「原点」であったと同時に、彼の魂が入った「終着点」であったのかな.....と考えさせられる。
今回、この偉大な建築家に出逢えてよかった。
続
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